英語圏には様々な国があり、異なる文化背景があります。例えばイギリス。イギリスは紳士の国と言われていますが、その一方で世界各地を植民地化して原住民を大量虐殺した冷酷な国、とも言われています。イギリス人が話す英語を、その言葉通り受け止めて良いのか、それとも日本のように本音と建前があるのか、今回は大英帝国イギリスの本音と建前について、見てきたいと思います。
イギリスは紳士の国?
感情的にならず常に冷静に、淡々と話すイギリス人。私の友人や同僚たちは、礼儀正しく親切な人たちですが、付き合いが浅い頃は、彼らの本心が見えず戸惑ったことがあります。欧州圏内にあり、日本やニュージーランドのように島国であるイギリスは、直球意見はせず、クッション言葉や婉曲表現を使う習性があります。日本でも、エリアにより同じ言葉でも異なる解釈をする場所がありますが、そういった英語圏の国がある、ということです。
下記はイギリス人と一緒にビジネスをした際の文章を例にした、彼らの本音と建前です。※現地のイギリス人からの解説をまとめた例です。左が実際イギリス人が話した英語(建前)で、右が本音です。
イギリス人の本音と建前ー事例集ー
I hear you. ⇒ I disagree and don’t wish to discuss this any further.
(建前:聞いてるよ)⇒(本音:その意見には反対だし、もう話したくない)
With the great respect ⇒ I think you’re wrong for a fool
(建前:敬意を評して)⇒(本音:貴方、間違っているよ。バカ)
Not bad. ⇒ Good or very good
(建前:悪くないね)⇒(本音:すごい良いね)
Perhaps you would like to think about~/I suggest/I would be nice if ⇒ This is an order.
(建前:たぶん~について考えてみない?/提案だけど/~だといいね)⇒(本音:これは命令だ)
I was a bit disappointed ⇒ I’m most upset
(建前:ちょっとがっかりした)⇒(本音:すごい頭にきている)
I’m sure it’s my fault. ⇒ It’s your fault!!
(建前:私が間違ったんだと思う)⇒(本音:お前のミスだ!)
That is an original point of view. ⇒ You must be crazy
(建前:独特の視点だね)⇒(本音:君、頭おかしいよ)
You must come for dinner…sometimes. ⇒Not an invitation. Just being polite.
(建前:時々ディナーに来て)⇒(本音:誘ってない。ただ礼儀正しく言ってみただけ)
これらは例です。正直なイギリス人はもちろんいますが、どこの国でも知的職業や上流階級の方は、正直に本音を語らない人が多いように見受けます。信頼関係が構築されると、誤解されるような言い回しは少なくなるかと思いますが、ご参考下さい。
個人的な経験
過去イギリス人の友人から「We should go drinking…sometimes」と誘われ、他の仲間たちと一緒に飲みに言ったことがあります。その時、自分が招かざる客だと気づき、ショックを受けました。その後、同じ人からまたお誘いが合った際、「I don’t go any places which I’m not welcomed. Enjoy yourself.」といって断ったところ、今度は向こうがショックを受けていました。
また休暇の目的地が近くだった別のイギリス人の方から「Please call me. We may catch up there. 」と言われたので、現地で念の為Textを送ってみたところ「Have a nice holiday」と返事が。社交辞令は世界共通です。文化の違いによるコミュニケーションの難しさを学ぶ、良い経験でした。
相手が信頼に値するかどうかわからない時は、色々と誤解があるものです。信頼関係が不十分な時は、メールの返事が数週間帰ってこないこともあります。親しいイギリス人の友人や同僚は「イギリス人ってこういう言い方をするんだよ」とか「こんな風に言ったけど、こういう意味だからね」と時々解説があります。ラグビーやサッカーなど、共通の趣味があると、打ち解けるのが早いです。また、相手が認めるだけの仕事の能力がこちらにあると、味方にすると頼もしく、本音で向き合ってくれます。
まとめ
- イギリス人には本音と建前がある。
- 見分けるようになるまでには、経験と時間が必要。
今回はイギリス人の本音と建前について見ていきました。ヨーロッパエリアは様々な国がありますが、彼らはイギリスとはまた別のコミュニケーションの難しさがあります。経験と歩み寄り、忍耐が必要です。上手く渡り合えるかどうか、それは貴方次第!
【補足】海外でのコミュニケーションに関する関連記事は、下記の通り。合わせてご覧下さい。
コメント