パリに旅行に行きたいけど、治安が悪いと聞いて不安だったり、旅行に行く決心がつかなかったりする方もいるのではないでしょうか?パリ中心エリアは、20区で構成されており、治安のいい地区もあれば悪い地区もあります。また早朝や夜など、危険な時間帯を避けるように行動し、用心さえすれば、楽しむことができる素敵な街です。今回はパリの20区各エリアの治安状況について、ご紹介致します。
パリ20区の治安状況
パリ1区の治安状況
パリ1区は、パリのほぼ中心を指します。ルーブル美術館やチュイルリー公園を始め、ブランドショップが立ち並ぶサン=トノレ通りなど、煌びやかなパリがこの1区。治安は全体的にいい方ですが、観光スポットが多いため、観光者を狙う輩はいます。レ・アール(Les Halles)やシャトレ駅の周辺には細い道もあり、一部は若者のたまり場になるところもあるので、裏道、早朝や夜遅い時間などは注意しましょう。
パリ2区の治安状況
パリ2区は一番小さな面積のエリア。とても落ち着いた場所で、治安は全体的にいい方ですが、あまり良くないのが北東のStrasbourg St Denis駅に近いエリア。この駅よりも北は10区で、治安の悪い地域にあたります。また、Strasbourg St Denis駅の少し南側のRue Saint Denisは、いわゆる娼婦がいることで知られている通りで、注意が必要です。普通に通り抜ける分には危険はありません。
パリ3区の治安状況
パリ3区は、マレ地区〜レピュブリック広場あたりを指します。治安は平均的からややいい方。3区は4区同様、もともとユダヤ系の移民が多く住んでいた地区。雰囲気が似ていますが、3区の方が人が少なく、道によっては注意が必要です。レピュブリック広場では、週末デモ行進などが行われていますが、観光客に危害があるようなことはあまりありません。
パリ4区の治安状況
パリ4区はパリ市庁舎、ポンピドゥセンター、ノートルダム大聖堂を含むシテ島とサンルイ島になります。3区同様、マレ地区と言われる場所で、パリっ子にも人気のおしゃれなエリア。人が多く、治安は比較的いい方です。St Paul駅の周辺は、平日・週末問わず人通りがあり、観光客も多くいます。南側のサンルイ島は高級住宅地ヴォージュ広場周辺は、高級な雰囲気が漂っています。
パリ5区の治安状況
パリ5区はカルチエラタンと呼ばれる学生街にあたり、ソルボンヌ、パリ大学、パンテオンといった教育施設が多く存在しています。また、パリ植物園や自然博物館もあります。学生的な賑やかさがある場所で、6区よりも生活感があり、治安はパリの中でもとてもいい方です。
パリ6区の治安状況
有名なSaint German Des Pres(サン・ジェルマン・デ・プレ)教会・駅を中心としたパリ6区。お買い物できるスポットから老舗カフェなどがあります。学校がたくさんあるだけではなく、リュクセンブルグ公園やサンシュルピス教会などがあり、5区同様治安はいい方です。
パリ7区の治安状況
官公庁の多いエリアであるだけでなく、エッフェル塔、オルセー美術館、アンヴァリッドが立ち並ぶ観光名所が、パリ7区。治安はとてもいい方です。
パリ8区の治安状況
シャンゼリゼ大通りを始め、凱旋門、マドレーヌ寺院などの観光名所が並ぶパリ8区。シャンゼリゼ通りの南側は、フランス大統領がいるエリゼ宮があり、住宅はほとんどありません。中央から北側にかけては、裕福なフランス人家族が多く住んでいる場所です。8区の治安は基本的にいいですが、観光客が集まる地域なので、スリなどに注意をする必要があります。
パリ9区の治安状況
オペラ座をはじめ、ギャラリーラファイエットやプランタンなど、高級デパートが軒を連ねているパリ9区。治安やいい方ですが、スリや置き引きなどに注意をする必要があります。また、10区や18区は治安が悪いエリアになる為、付近には注意が必要です。一番気をつけたいのは、北東部のBarbes Rochechouart駅。ここはパリの中でも治安が悪い駅トップ3に入るので、近づかない方がいいです。
パリ10区の治安状況
パリ10区はパリ中心地よりも北に位置し、パリ北駅、パリ東駅など交通の要として機能しています。駅付近は、インド料理やアラブ料理、アフリカ関連のお店が立ち並んでいます。10区の治安は悪いです。特に避けたい場所は、Chateau d’eau駅周辺と、北西部のBarbes Rochechouart駅。近寄らないことをおすすめします。南側の歓楽街のStrasbourg St-Denis駅周辺は、いわゆる娼婦エリアです。夕方以降は避けた方が無難。
パリ11区の治安状況
レピュブリック広場東〜バスティーユ広場のあたりまでがパリ11区。下町な雰囲気からブティックが立ち並ぶところまで、いろんな顔を見せてくれるエリアです。特にレストランやバーなど、夜に楽しめるお店がひしめき合っているので、昼から夜まで賑わっています。ただ、全体的に治安は少し悪い傾向が。 南側のバスティーユ周辺とNation駅、西側のPere Lachaise駅、東側のOberkampf駅は、比較的良い方ですが、注意が必要です。
パリ12区の治安状況
パリ12区は範囲がとても広いです。バスチーユのオペラ座あたりから、東はヴァンセンヌの森までへと続きます。Bercy(ベルシー)駅近くはイベント会場があるため、若者が夜騒いでいる時があるので、少し注意が必要。治安はやや悪いです。
パリ13区の治安状況
13区はパリの下町。パリの中華街が広がるエリアで、治安はまあまあいい方です。イタリー広場などは地元民が住んでいる地域といえます。住宅街以外のところは少し注意が必要です。
パリ14区の治安状況
モンパルナス界隈およびパリ最南端にあたるのが、パリ14区。モンパルナスタワーがそびえ立っていますが、かつては芸術家たちがたくさん住んでいた地域であり、老舗カフェが4軒隣接している地区です。治安もかなりいい方で、ゆったりとした地区です。ただ、Montparnasse駅周辺は、観光客を狙ったスリなどに注意は必要です。
パリ15区の治安状況
非常に落ち着いた雰囲気のパリ15区は、ほとんどすべての駅の治安がいい、若い高校生や大学生も快適に過ごせる場所です。La motte Picquet – Grenelle駅は15区の基点となる駅で、活気がありお店はもちろん、交通にも便利。Commerce駅周辺は食材店が集結し、生活するのに便利なエリアでもあります。
パリ16区の治安状況
ブーローニュの森やシャイヨ宮、トロカデロなどがあるのがパリ16区です。大使館も16区に多く存在しており、高級住宅地でもあります。車を持っている人も多く、道幅が広く、メトロの間隔も広いのが特徴。治安はかなりいい方です。
パリ17区の治安状況
パリの地元の人たちの生活が生活をしているのが17区。17区は広く、南西と北東で特徴が分かれています。8区や16区に近い南西部は、裕福なフランス人が住んでおり、Courcelles駅、Ternes駅、Monceau駅の周辺などは高級な雰囲気。モンソー公園のには昼休みにもビジネスマン、地元の子供連れのカップル、老夫婦、学生など年代や職業を超えて、多くの人たちの憩いの場になっています。
一方、17区北東の18区に近づくにつれ、雰囲気は庶民的になっていき、移民の割合が増えます。北側のPorte de Clichy駅、Port de St-Ouen駅に近づくにつれて、治安は悪い傾向が。東側のBrochant駅、La Fourche駅などPorte de Clichy駅周辺も、治安は悪いです。
パリ18区の治安状況
18区はモンマルトル界隈です。サクレクール寺院をはじめ、ムーランルージュや画家たちの息吹を感じることができる丘です。夜は大人の世界となり表情ががらっと変わりますので、夜は少し用心した方が良いかもしれません。また、18区の北はパリ郊外のサン・ドニに隣接し、治安は悪いです。特に悪いのが、東側Barbes Rochechoart駅周辺。Marcadet Possoniers駅などは荒れています。基本的に北の環状線に近づくと治安は悪い傾向に。
パリ19区の治安状況
19区も18区と同様に移民率が高い地区で、治安は悪い方です。基本的に19区の北東に向かう程、治安は悪化していきます。Riquet駅、Climee駅、Ourq駅などの周辺は寂れた雰囲気があります。昼間は問題ありませんが、夜は十分気をつける必要があります。一方、サンマルタン運河をはじめ、ビュットショーモン公園、ラヴィレットなどがあり、のんびりと過ごすことができるエリアです。
パリ20区の治安状況
パリの北東にある20区は住宅街。治安は悪い方ですが、18区や19区と比べるといい地域が多いです。例えば、ナシオン駅(Nation)辺りは治安がいいですし、Pere Lachaise駅、Gambetta駅周辺の治安は普通で、人気があります。Belleville駅周辺は移民率が特に高く、初心者は避けた方が無難。
まとめ(安全度:5段階評価)
パリの地区の安全度を、5段階評価で表すと、下記の通り。(注:筆者視点)
安全度5(5区・6区・7区・14区・15区・16区)
高級住宅地や学生街のある地域。パリの中でも比較的安全ですが、常に気を抜かないように。
安全度4(1区・2区・3区・4区・8区)
基本的に安全ですが、凱旋門やノートルダム大聖堂など、観光地が集中しているエリアなので、スリやひったくりなど、観光客を狙った軽犯罪に注意が必要です。
安全度3(9区・13区・17区)
観光客よりも地元の人が多いエリア。注意が必要な駅やエリアがあります。繁華街が多いので、特に夜は気を引き締めましょう。
安全度2(10区・11区・12区)
治安の悪い傾向がある下町・繁華街エリア。昼間でも注意が必要。夜は近寄らない方が無難。
安全度1(18区・19区・20区)
治安の悪いエリアです。特に用がなければ、近寄らないことをおすすめします。尚、有名なモンマルトルの丘はこのエリアにあります。訪れる際は十分注意を。
パリの20区の地図を見ると、東側と北側が治安が悪い地区であることが、読み取れます。滞在先のホテルを選んだり、観光場所を決める際の参考になれば幸いです。
【補足】フランスに関連する他の記事はこちら。
おしゃれなパリのホテルに滞在!―おすすめ地区・エリア・治安・相場―
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