パリに旅行に行きたいけど、治安が悪いと聞いて不安だったり、旅行に行く決心がつかなかったりする方もいるのではないでしょうか?エッフェル塔やルーブル美術館、セーヌ川沿いの美しい街並みに魅了され、世界中から年間数千万人が訪れる観光都市パリ中心エリアは、20区で構成されており、治安のいい地区もあれば悪い地区もあります。また早朝や夜など、危険な時間帯を避けるように行動し、用心さえすれば、楽しむことができる素敵な街です。
2025年のパリオリンピックを経て、以前より治安が改善されつつあるといいますが、実態はどうなのでしょうか?本記事では、2025年現在をもとに、パリの20区各エリアの治安状況と観光の楽しみ方について、詳しくご紹介します。
パリ20区の治安状況
パリの治安事情の全体像
パリは行政的に1区から20区までの「地区」に分かれています。中心部の1〜8区は観光スポットが多く、比較的治安も安定していいです。一方、北東部や一部の郊外寄りの地区では、夜間の一人歩きは避けた方がいい場所もあります。全体として命の危険を感じるような治安の悪さは少ないですが、スリ・置き引き・詐欺など、観光客が狙われやすい軽犯罪は日常的に発生しています。
1区:パリ観光の心臓部
治安ランク:★★★★☆(安全)
ルーブル美術館、チュイルリー公園、ヴァンドーム広場など、パリを代表する観光地が集まる地区。昼間は人通りも多く、比較的安全でいい地区です。ただし、シャトレ駅やレ・アール周辺はスリの多発スポット。バッグは前掛けにし、貴重品は分散して持つのが鉄則。おすすめは、朝のチュイルリー公園散策と、夕暮れ時のセーヌ川沿い散歩。
2区:小さな商業エリア
治安ランク:★★★★☆(安全)
パリで最も小さい区。ギャラリー・ヴィヴィエンヌやグラン・ブールヴァール周辺は落ち着いたいい雰囲気。北東部のStrasbourg–Saint-Denis駅付近は10区寄りで少し荒れた雰囲気があります。夜はRue Saint-Denis通りを避けましょう。
3区・4区:マレ地区
治安ランク:★★★★★(非常に安全)
おしゃれなカフェやブティック、ヴォージュ広場などがあり、観光にもショッピングにも最適ないい地区。旧ユダヤ人街やサンルイ島の高級住宅街は特に安心して歩けます。週末はアンティーク市やアートギャラリー巡りもおすすめ。
5区:カルチエ・ラタン(学生街)
治安ランク:★★★★★(非常に安全)
学生街らしく明るく活気があるいい区。ソルボンヌ大学やパンテオン、シェイクスピア&カンパニー書店など観光スポットも多い。夜もカフェが開いており、一人歩きしやすい地区です。
6区:サン・ジェルマン・デ・プレ
治安ランク:★★★★★(非常に安全)
パリの中でも屈指の高級住宅街。カフェ・ド・フロールやリュクサンブール公園など、落ち着いて観光できていいです。女性の一人旅にもおすすめ。
7区:エッフェル塔と官庁街
治安ランク:★★★★★(非常に安全)
大使館や官公庁が多く、警備が厳重。夜のエッフェル塔ライトアップを楽しむならこの地区がベスト。ただし、セーヌ川沿いは人通りの少ない場所もあるので夜遅くは注意。
8区:シャンゼリゼ通りと凱旋門
治安ランク:★★★★☆(安全)
高級ブティックやホテルが並び、観光客に人気のいい地区。日中は華やかですが、人混みでスリ被害が多いエリア。夜景を楽しむなら、深夜0時を過ぎない時間に。
9区:オペラ座とデパートの街
治安ランク:★★★☆☆(やや安全)
オペラ座、ギャラリー・ラファイエット、プランタン百貨店が集まり、ショッピングに最適ないい地区。ただし北側は10区に近く、夜間は雰囲気が変わります。
10区:北駅・東駅周辺
治安ランク:★☆☆☆☆(要警戒)
多国籍で賑やかですが、駅前は軽犯罪が多い治安の悪いエリア。早朝・深夜の一人歩きは避け、タクシー利用を推奨します。
11区:バスティーユ周辺
治安ランク:★★☆☆☆(注意)
夜遅くまでバーやクラブが開き、若者が集まる地区。賑やかですが、酔客トラブルもあるため深夜は注意が必要な、治安が悪いエリア。
12区:ヴァンセンヌの森
治安ランク:★★★☆☆(やや安全)
広大な森と住宅街が中心。昼間は穏やかでいいのですが、夜の森は治安が悪い傾向がある為、立ち入らないようにしましょう。
13区:中華街
治安ランク:★★★☆☆(やや安全)
イタリー広場周辺はアジア料理が豊富。比較的落ち着いていますが、夜間は人気のない場所へ行かないようにした方が、安全です。
14区:モンパルナス
治安ランク:★★★★☆(安全)
芸術家の街。駅周辺は観光客も多く、日中は治安がいいです。ただし夜は人気のない裏道を避けましょう。
15区:住宅街
治安ランク:★★★★★(非常に安全)
生活感あふれる落ち着いたエリアで観光客は少なめ。滞在拠点にも最適です。
16区:高級住宅街とブーローニュの森
治安ランク:★★★★★(非常に安全)
静かで落ち着きがあり、日中は治安のいい地区。ただしブーローニュの森は夜間立ち入り禁止。
17区:南西は高級、北東は注意
治安ランク:★★★☆☆(やや安全)
南西部は安全で洗練された街並み。北東部は18区に近く、治安が悪い為夜間は避けましょう。
18区:モンマルトルと注意エリア
治安ランク:★★☆☆☆(注意)
丘の上のサクレ・クール寺院周辺は観光地として有名ですが、北側は要警戒。治安、悪いです。夜の一人歩きは避けましょう。
19区:北東エリア
治安ランク:★☆☆☆☆(要警戒)
運河や公園は昼間は魅力的ですが、夜は人通りが減り危険度が増します。治安がかなり悪いと心得ておく必要があります。
20区:ベルヴィル周辺
治安ランク:★☆☆☆☆(要警戒)
アートと移民文化が混ざるエリア。ナシオン駅周辺は比較的安全ですが、ベルヴィル駅周辺は夜間避けた方が良いです。住宅地と移民地区が混在しており、治安がかなり悪いと心得ておく必要があります。
まとめ:治安の区・悪い区
- 良い区(安全):5区、6区、7区、15区、16区
- 普通(やや安全):1区、2区、3区、4区、8区、14区
- 悪い区(注意):10区、18区北部、19区、20区一部
宿泊におすすめの地区・観光コース
パリ中心部宿泊におすすめの地区
- 6区(サンジェルマン・デ・プレ):安全、カフェ文化、観光アクセス良好。
- 1区・4区:観光地への徒歩アクセスが魅力。
- 7区:エッフェル塔ビューのホテル多数。
モデルコース例
1日でパリ中心部を安全に楽しむプラン
- 朝:ルーブル美術館鑑賞
- 昼:マレ地区でランチ&ショッピング
- 夕方:エッフェル塔周辺散策
- 夜:セーヌ川クルーズ
夜景満喫ライトアッププラン
- 18:00:オルセー美術館
- 20:00:エッフェル塔のライトアップ
- 21:00:シャン・ド・マルス公園で夜景撮影
パリで安全に過ごすためのポイント
- 貴重品は分散して持つ(マネーベルト活用)
- 見知らぬ人の署名やアクセサリー販売には応じない
- 夜遅くのメトロ利用は避け、タクシーアプリ(UberやBolt)を利用
- カフェやレストランではカバンを椅子に掛けず膝の上に
まとめ
パリの治安は地区によって差がありますが、いい区を拠点に計画的に観光すれば、安心して楽しめます。早朝の散歩も気持ちいいものです。スリや軽犯罪は、現在も悪化傾向にあり、夜も魅力的なパリですが、事前に情報を把握しておくことで、旅はぐっと快適になります。安全第一で、美しいパリを思い切り満喫しましょう。
パリの20区の地図を見ると、東側と北側が治安が悪い地区であることが、読み取れます。滞在先のホテルを選んだり、観光場所を決める際の参考になれば幸いです。
【補足】フランスに関連する他の記事はこちら。
おしゃれなパリのホテルに滞在!―おすすめ地区・エリア・治安・相場―
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