キリスト教と仏教の違いー世界の宗教ー

文化・歴史
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海外では様々な宗教の方に出会います。食事、日常生活、他人との接し方、生き方など、宗教はその人の人格形成・生き方にも大きく影響しています。宗教イコール怪しい団体、テロ集団とみなす人もいますが、それは物事の一部を見て解釈をしているだけです。宗教は海外では非常に重要なもので、海外生活や海外とのビジネスをする人たちにとって、宗教観を理解するのは教養のようなもの。今回は、日本人にとって馴染み深い、仏教とキリスト教の違いについて、見ていきたいと思います。

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世界三大宗教とは

この世界には様々な宗教がありますが、世界三大宗教はキリスト教・イスラム教・仏教です。キリスト教は世界で約20億人、イスラム教は16億人、仏教は4億人。インドのヒンズー教は、インド人に限定された民族宗教の為、信者自体は約11億人いますが、国境や民族を超えて伝播している世界三大宗教にはカウントされません。

ユダヤ教はキリスト教よりも前に誕生したもの、イスラム教はキリスト教よりも後に誕生したものです。これらは信じている神は異なり、発祥時期は異なるものの、同じラインにある兄弟宗教。ユダヤ教は旧約聖書を、キリスト教は旧約聖書と新約聖書を、イスラム教はコーランを経典としています。

仏教は、紀元前5世紀にお釈迦様が広めた宗教。発祥地インドから、中国を経由して、日本に渡ってきました。

キリスト教とは

キリスト教では「この世の中は、神様が作った」とされています。困難や幸せは、神様が授けたものであるという考え方で、わかりやすく言うと、困難は神様からの試練、幸せは神様からの恵み、運命は神が決めたもの、という考えです。キリスト教カトリックでは離婚が許されません。神の前で夫婦と誓ったことは永遠であり、神が二人を夫婦と決めて出会わせてくれた為、死ぬまで変えることができないのです。

また、人間の魂も体も一度切りで、生まれ変わりはありません。よって、一度きりの人生を大切にする、楽しむという精神があります。

仏教とは

仏教では、全てのものは因縁により生まれる、と考えられています。縁は人の縁、因は人の行動を指し、人との繋がりと自身の行動により結果がもたらされる、と考えられています。

困難や試練は、神様が与えたものではなく、自らを取り巻く縁と自分の行動によりもたらされた結果が展開していく中で、人生が変化していくと考えます。色々とうまくいかない時に、自らの行動を振り返り、反省し、努力して、また行動する、といったことが促された経験、あるかと思います。

縁は親子・兄弟・親戚・夫婦・同僚・友人など、色々あります。悪い縁を切れ、というのは仏教の因縁から来る考え。因縁は、前世・今生・来世と繋がり繰り返す(輪廻)と考えられています。運命は神が与えたものではなく、全て自分の行動が撒いた種が原因で、良くも悪くも我々にもたらされるという点では、キリスト教を始めほかの宗教とは大きく異なる点です。仏教徒が謙虚な態度を必要としまた美徳とするのは、こういった考えから由来するものと考えられます。

仏教では体は朽ちても魂は輪廻により永遠、という考えです。正しい心や心根の美しさを美徳とする考えは、こういった点から由来します。

まとめ

  • 世界三大宗教は、キリスト教・イスラム教・仏教
  • キリスト教は、この世界の創造から人間の人生に至るまで、全て神様が作り決めたという考え。
  • 仏教は、人生は人の縁と自分の行動によって生まれた結果、という考え。
  • キリスト教に生まれ変わりはないが、仏教は魂が輪廻する。

個人的な経験ですが、キリスト教・イスラム教・仏教と別々の宗教の人間が、ひとつ屋根の下で暮らしたことがあります。食事で豚由来の原料を使わない、という原則がありましたが、仲良く楽しく暮らしていました。またビジネスディナーで、キリスト教・ヒンズー教・ユダヤ教・イスラム教・仏教が揃って食事をすることも何度かありました。ヒンズー教の同僚は、料理に牛肉が入っていないか気にし、イスラム教の同僚は豚由来の原料(例えばゼラチンなど)の混入をきにしていた為、周りの人間がサポートし、皆が安心して楽しく食事ができるように気を配る姿が、印象的でした。「君の信じる神様も、僕の神様も、素敵なはずだ」世界が平和であることを、祈りたいですね。

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