職場・近所・親戚・家族・友人と、人間関係での悩みは様々あるかと思います。付き合いが長ければ、お互いを理解して共感できるかといえばそうでもなく、時には知り合って日が浅い人と意気投合し、楽しい時間を過ごすこともあります。人はなぜ、共感できる人とそうではない人がいるのか、一緒に見ていきたいと思います。
なぜ共感できないのか?
人はそれぞれ自分の世界があります。生い立ちから学生時代の思い出・出来事、仕事での立場・情熱・悩み、など様々な要因がその世界を作っています。恋人・夫婦・親子だからといって、全てを共感できるわけではありません。
例えば、仕事で嫌なことがあって、帰宅した夫。話を聞いていて、「何だ、そんなことか」と思ったことはありませんか?あるいはそのことをそのまま口に出してしまったこともあるかと思います。夫からすると、とても傷つく一言です。
嫁姑関係・子育て・パートの仕事で疲れ切っている妻。いつもの長々と続く妻の愚痴を、「また始まった。早く逃げよう」と思った、あるいは「俺は仕事で疲れているんだ」と突き放した経験、あるのではないでしょうか?妻からすると、とても傷つく言葉です。
なぜ共感できないのでしょうか?それは共通の世界で生きていない為です。わかってほしいという願いはありますが、人は自分以外の人のことは、基本的にわからないもの。自身の悩みや不安は、自分で解決するしかなく、夫が仕事のウサを家に持ちこまず飲んで帰る、妻たちがファミレスで家での不満を語り合うのは、自然なことです。自分以外の相手との共通点があって、共感を感じることができます。その共通点が多いほど、理解できる部分が増え、「共感できる人だ」と認識するようになります。
共感できる人とは?
家族関係においては、同じ屋根の下で暮らしているのだから、共感して当たり前ではなく、「家族共通の何か」によって共感しているということです。例えば、「同じ料理を一緒に食べて、美味しいと共感して幸せを感じる」「家系(例えば、公務員の家系・大工の家系・ジャーナリストの家系など、社会に対しての共有の使命感)」「家風(例えば、隠し事をしない・マナーを大切にする・他人を思いやる、など)」「家族のルール(20時以降帰宅の場合は一報入れる・誕生日は全員で祝う・ハレの舞台は全員で応援に行く、など)」。
職場であれば、同じ部署で席が近いということではなく、「理不尽な上司の下で、悪戦苦闘している者同士」「プロジェクトの為に、遅くまで残業をしている者同士」「同じ夢を持つ者同士」など。
一つのものを見て、同じく認識し、同じく理解する、それが共感できる人=共通の世界で生きている人です。スマートフォンは私達人間社会においては、大変画期的な産物であり、スマートフォンを無くした、電波がつながらないといって大騒ぎします。でも、動物界のウサギにとっては「スマホ、何それ?」です。同じ人間でも、80代の方々にとっては「無くても生きていける」です。でも、努力をすれば理解可能な範囲。
どうすれば共感できる人が増える?
共感できない人とは、共有の何かがない為、同じ世界で生きていません。逆に言えば、現在共感できない人と共通の何かがあれば、共感できる(同じ世界で生きていける)、ということになります。一番簡単なところでは、趣味・環境(同じくらいの年齢の子供がいる・居住地が近い)・出身地・出身校、など。
年代が離れていると、共感できないと思いこんでいる方もいるかと思います。でも、あなたが生まれてくる前から、この世の中を生き、この世界を作り、あなたの世代をこの世にもたらした人たちと、共通点はないのでしょうか?特別素晴らしいことがなくても、今日のお昼美味しかったな、あのドラマやゲーム、面白かった。小さくても、生きてて良かったと幸せを感じる瞬間。その環境は、ある日突然生まれたものですか?
もし、今日上司に怒られて、ムカついていたとしましょう。その人はあなたの人格を否定したのではなく、ある行動を指摘したのではありませんか?誰からも指摘されなければ、嫌な気分になりますが、あなたと同じように上司も完璧ではない。一見、共感できないと思いこんでいる相手も、少し見方を変えると、同じ世界で生きていると気づくことがあります。人生の中で共感できる人は、世界の人口でみると、ほんのわずかだという事実に気付くのは、そう遠い日ではないはず。
まとめ
- 人はそれぞれ自分の世界の中で生きている。自分以外の他人を理解するのは容易ではない。
- 共感できる人は、共有の認識と理解を持っている人。
- 共感できない人がいるのであれば、共通点を探してみる。
口で言うのは簡単ですが、共感は頭で理屈を考えるというよりも、心で感じることです。共感できない相手に耐えられないのであれば、距離をおいて冷静に対処する必要があります。また共感が得られないからと言って、自分の考えを変えたり、相手に合わせる必要はありません。まずは自分の世界を基準に、長い年月を共感できる人がいると良いですね。
【補足】関連記事は、こちら。
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