女性の健康と密接に関わっている、女性ホルモン。ストレスや過度なダイエット、加齢などで女性ホルモンの分泌リズムやバランスが乱れると、心身の不調につながることがあります。月経不順や更年期のような不調がある場合には、女性ホルモンの状態を調べることで、不調の原因が見つかることもあります。今回は、女性ホルモンの測定方法と、漢方を使って不調を整える方法について、みていきたいと思います。
女性ホルモンバランスの乱れが体に与える影響
女性ホルモンは、女性のライフステージによってその分泌量が変化します。思春期の10代前半から増えはじめ、20代後半ごろにピークとなり、その後は徐々に減少し、更年期である50歳前後に分泌量は急激に減少します。女性ホルモンは女性の体と健康に大きく関係しており、ちょっとしたバランスの乱れが心身の不調(月経不順や不妊症、更年期症状など)に繋がります。
女性ホルモンの測定方法
女性ホルモンの量を調べることで、自分自身のホルモンの状態を把握し、その変化に応じて適切な対応をすることができます。測定は採血だけで簡単に行うことができ、オプション検査として各種人間ドックや健康診断と一緒に受診可能です。
主な検査名称は、卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロラクチン(PRL)。詳細は、お近くの健康診断や人間ドックを取り扱っている病院、産科・婦人科へお問い合わせ下さい。
漢方で女性ホルモンのリズムを整える。
女性ホルモンの乱れを整える方法は、人により異なります。基本は、栄養バランスのとれた食生活、十分な睡眠、適度な運動です。この他、サプリメントや医薬品の摂取、鍼灸・マッサージといった方法がありますが、漢方でホルモンバランスを整えることを希望される方もいます。
漢方では、カラダは「気(き)」、「血(けつ)」、「水(すい)」の3つの柱で支えられていると考えられています。「気」とは体のエネルギー(元気)が十分に満ち足りえいるか、「血」とは体に十分な栄養が満ち足りているかどうか、「水」は体に潤いが満ち足りているか、を意味します。
のぼせ、イライラ、急な発汗、が気になる場合
加味逍遙散(かみしょうようさん)を。更年期障害で一番多く使われている漢方薬です。乱れた気のバランスを整えると同時に過剰な熱を抑えてくれるため、イライラ、抑鬱などの精神不安を改善するだけでなく、のぼせやほてりなどの熱症状も抑えてくれます。
不安感や動悸、不眠がある場合
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を。気を整える、鎮静してくれる生薬がしっかり配合されているため、不安感があったり、眠れないなど更年期の症状に効果的です。
心身ともに疲れ、胃腸が弱く、不安感や不眠がある場合
加味帰脾湯(かみきひとう)を。心身共に疲れている体を改善してくれる漢方薬で、特に胃腸の弱いタイプにおすすめです。加味逍遙散同様、過剰な熱を抑える生薬も入っているため、イライラやほてりなどの熱の症状も改善してくれます。漢方に関する詳細情報は、下記をご参照ください。(出典:クラシエ 更年期障害の症状におすすめの漢方薬とは?)
またクラシエでは、体質自己診断や症状別の漢方処方診断を行っています。
まとめ
- 女性ホルモンの測定方法は、血液検査。簡単に数値を確認することができる。
- 女性ホルモンを整える方法の一つに漢方がある。加味逍遙散が最も使われているが、症状に応じ、自身にあったものを。
血液検査で女性ホルモン量を測定し、状態が確認できるということであれば、健康診断や人間ドックの際、検査項目追加で行うことができますね。また、産科・婦人科などで診察の際、病院の先生に検査依頼するのもよいかと思います。今回ご紹介した漢方は、あくまで一般的なものですので、詳しくはお近くの病院にて、専門医にご相談下さい。よりご自身の悩みに合った、ホルモンバランスを整えるものが、見つかるかもしれません。
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