台湾問題をわかりやすく理解。―中国・アメリカとの関係や日本への影響についてー

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台湾独立に関連する出来事は、起きるのかというレベルではなく、いつ起きるのかとう段階まできています。ロシアとウクライナの紛争は、中国と台湾の問題に直接関係していませんが、引き金になる事態となりました。歴史的・地理的・国際社会的に複雑に絡み合う台湾問題。今回は、中国・アメリカとの関係や日本への影響を踏まえながら、わかりやすく説明していきたいと思います。

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台湾独立問題とは?

台湾独立問題とは、わかりやすく一言でいうと、現状を維持で独立的な立場で国家を運営していきたい台湾と、一つの中国(いわゆる中国と台湾の統一)を目指す中国との間で起きている問題です。

台湾は現在、独立国家なのか?

台湾は「中華民国」として、1971年まで国連に加盟しており、世界の主要な国は台湾を国家として承認していました。ところが、1971年のアルバニア決議(国際連合における中華人民共和国の合法的権利の回復)により、中国が国連安全保障理事国となり、これに抗議した中華民国(台湾)は国連を脱退。その後、多くの国は台湾と断交することになりました。

2021年12月時点で、中華民国を国家として承認し、公式の外交関係を持つ国は200近い国連加盟国の中で13か国。わかりやすく言うと、独立した主権国家と認められるには、他国からの承認が必要であり、国際社会において台湾が完全なる独立国家と認められているとは言い難いというのが、現状です。

台湾側の主張

これまで、台湾では中国からの完全独立を求める声はさほど強くはなく、多くの人々は現状維持を希望している、という状態でした。台湾側の主張をわかりやすく言うと、そもそも中国の一部であったという歴史的実態が伴っていないため、改めて中国からの独立を起こすというのも違和感がある。近年国際社会の承認が少なくなったとはいえ、戦後中華民国として事実上の独立を維持してきた経緯もあり、独立国家あるいはそれに準じる地位を今後も維持継続させることができる、と考えていたようです。

中国側の主張

これに対し、中国は 「一つの中国」を唱え、台湾はあくまで中国の一部であるとして中国と台湾の統一を主張しています。しかしながら、中国共産党が台湾を支配下に置き、統治をした実績は一度もありません。

歴史による複数の史料によると、清朝が中国を支配し始めた17世紀に、台湾が完全な支配下に置かれた、とあります。その後、1895年に中国が日清戦争に敗れたのを機に、台湾島は日本の統治下、1945年に日本が第2次世界大戦に敗れると、台湾島は再び中国へ。この頃、中国大陸では、蒋介石率いる国民政府勢力と毛沢東率いる共産党との間で内戦が勃発。1949年に共産党が勝利し、蒋介石と中国国民党の残党は台湾に逃れ、その後数十年にわたり台湾を統治、という流れになり、現在に至っています。

このように、中国史に基づいても台湾が中国の一部に属す、と言い難い状況です。中国の習近平が台湾に対して「一国二制度」に基づく統一構想を提示してはいるものの、香港での一国二制度が崩壊した経緯もあることから、 台湾では80%の人がこれに反対。蔡英文総統も民意を踏まえ、この中国の提示は受け入れないと宣言しています。

日本側の捉え方

日本は、台湾をどのように位置づけているのか?1972年の日中国交正常化実現の際に示された「日中共同声明」では、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部(切り離すことができない部分)であることを重ねて表明する」という中国の主張に対して、日本政府は「この中華人民共和国政府の立場を十分理解・尊重し、ポツダム宣言に基づく立場を堅持する」との立場をとっています。

わかりやすく言うと、中国の主張を理解・尊重するが、同意はしていない、ということです。その一方で、日本政府は「中台問題は中国の内政問題」との立場も示しています。台湾を中国とは別の独立した主権国家として承認しているわけではない、ということです。

国際社会での見解

事実を踏まえた上での、国際社会での見解をわかりやすくまとめると、下記の通りです。

  1. 中国共産党は、これまで台湾を統治したという実績がない為、一つの中国として台湾を管轄下におくことに疑念がある。
  2. 国連離脱後の台湾は、主権国家に準じる政治共同体ではあるが、中国とは別の独立した主権国家と承認するには無理がある。
  3. 独立国家に準じる政治共同体である台湾の自由や平和は尊重されるべきであり、武力行使や暴力によって侵されることを、国際社会は黙認することが出来ない。

アメリカは、何をしようとしているのか?

2022年3月、台湾を訪問したアメリカ合衆国のポンペオ米前国務長官は、中華民国(台湾)について「自由で主権国家である」と述べ、アメリカは台湾を外交的に承認するべきだとの見解を示しました。また同年8月には、米下院議長のナンシー・ペロシが台湾を訪問。アメリカ合衆国の目的は、民主主義国家である中華民国(台湾)の承認・サポートと、対峙する中国への外交的な威嚇でもあります。

台湾問題が日本に与える影響とは

台湾と日本は物理的距離が近いだけでなく、一時期日本の植民地であったこともあり、歴史的にも深い関係を有しています。民族上は異なりますが、精神的な絆は太く、経済的な繋がりも強いです。一国家としての正式な国交ではありませんが、政治経済情勢は変化しても、台湾の持つ地政学上の価値は変わりません。

台湾は日本と中東、東南アジアを結ぶ重要なシーレーンの上に位置し、台湾の安全が中国によって脅かされると、日本の経済活動に与える影響は大きく、台湾海峡を越えて中国の軍事力が西太平洋に拡大すると、日本の安全保障も危うくなります。これは日本のみならず、東アジアを中心にアジア環太平洋全体にも影響します。

また、万が一台湾という民主主義国がなくなると、環太平洋エリアにおける民主主義国は、日本・韓国・オーストラリアなど数少なく、社会主義や共産主義であるロシア・中国・北朝鮮などに周囲を囲まれることになる為、アメリカを始め世界の民主主義国が台湾問題を深刻に見つめています。

最後に、台湾は世界有数の半導体生産国で、世界全体の約60%を占めていると言われています。(アジアは世界の半導体生産の90%を占めています)台湾が中国からの攻撃を受けて、生産が停止した場合、世界中の半導体を使った産業に大きな影響を与えることになります。

まとめ

  • 台湾は国連加盟国ではなく、独立国として正式な国交のある国が極めて少ない。
  • 中国共産党はこれまで台湾を統治した実績はない。
  • 台湾問題が日本に与える影響は、安全保障問題と経済交流。

独立に関する見解は、国によって異なりますが、台湾と地理的歴史的に関係の深い日本は、台湾の国連脱退後、疎遠であった二国間の関係を見直し、台湾の安全とその発展のために、新たな政策を建てる時期に来ています。台湾を巡る中国の行動が脅威となっている昨今、台湾のみならず国際秩序を守るためにも、日本は同盟国と連携し対処をしていく必要があるのではないでしょうか?今回は台湾問題について、わかりやすく見ていきました。世界平和、引き続き祈っていきたいと思います。

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