韓非子の思想とは?性悪説を元にした、その考え方をわかりやすく解説。【ビジネスリーダー必見】

文化・歴史
引用元: Han Fei From Wikipedia
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ビジネスリーダーの指南書とも呼ばれる「韓非子」。多くの人が孫氏の兵法をバイブルと上げる中、「韓非子」を上げる人も少なからずいます。人を統率する為に必要な考え方や心構えが、そこに記されている為です。今回は、韓非子の思想と考え方とはどのようなものなのか、わかりやすく見ていきたいと想います。

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韓非とは 

韓非(かんぴ:拼音: Hán Fē)は中国の戦国時代末期の思想家・法家。韓非子(かんぴし; Hanfeizi)の著者です。韓非は、韓の国(現在の朝鮮半島付近)に生まれた、韓の公子。韓非は、重度の吃音であった為、人とのコミュニケーションを取るのが上手ではありませんでしたが、非常に文才に長け、書くことで自分の考えを説明するようになり、この事が後の「韓非子」の作成に繋がった、と言われています。

時は、秦の始皇帝が中国全土統一を目指し、各地で戦争が起きる世の中。当時の韓の国もその渦に巻き込まれ、韓非子は窮地に陥った自国のために知恵を働かせますが、いずれも採用されません。やがて彼の思想と知恵は、自分の国を滅ぼす秦の始皇帝に認められることになります。

始皇帝は残虐非道な暴君と言われる一方、法律で国を統治した初めての皇帝です。現代でいう法治国家を2000年以上前に成し遂げた始皇帝に、法で人を統制することを提言していたのが、韓非。始皇帝に気に入られ、登用された韓非ですが、頭脳明晰で権力の座を狙う政治的野心旺盛な家臣たちが、始皇帝の周りに大勢いました。李斯(りし)もその一人。李斯と韓非は同じところで学んだ、学友です。

李斯は韓非の才能が自分の地位を脅かすことを恐れて、始皇帝に韓非は謀反を企んでいると報告、韓非は牢につながれ獄中へ。わかりやすく言うと、韓非はすぐれた才能があり、後世に残る著作(韓非子)を記しましたが、そのために同門の李斯のねたみを買い、事実無根の汚名を着せられ自殺に追い込まれた。この背景には、各国密偵の暗躍、韓非の出世に対する反感・警戒心、排斥心などがあった、と言われています。

韓非子の思想と考え方

韓非子(かんぴし; Hanfeizi)は、韓非が記した著書。韓非の思想は、わかりやすく言うと、徹底的に人間を疑うこと。人間は立場によりそれぞれの考えがあり、その立場を維持するには、相手の言っていることが間違いないか照合し、相手を騙してでも「嘘つき」かどうかを調べておく必要がある、という考え方です。つまり、管理者は部下を法に従わせ、従っているかどうか、法を通して調べる必要があると説いています。

韓非子のベース、性悪説とは

性悪説と性善説があります。中国の思想家「荀子」が唱えた性悪説とは、わかりやすく言うと、人間の本性は悪であり、たゆみない努力・修養によって善の状態に達することができるとする説。そして中国の思想家「孟子」が唱えた性善説は、 人間にはもともと善の端緒がそなわっており、それを発展させれば徳性にまで達することができるとする説。

日本は伝統的に「性善説」が中心で運営されており、世界でも稀な暮らしやすく、信用、信頼、安全の国、と言われています。ビジネスの交渉でも相手の善意を期待してしまう傾向がありますが、こうした風潮は海外ではありません。韓非子は性悪説をベースにした考え方により、構成されている思想です。

ビジネスにおけるリーダーと部下 ―韓非子の考え方でわかりやすく解説ー

部下の立場

リーダーが名声を欲しがっているのに、利益をあげる方法を説いても、「嫌なやつ」として相手にされない。あるいは、リーダーは採用したふりをして、進言者を重用しない。逆に、利益をあげたいと思っているリーダーに、名声をあげる方法を説いても、「空気を読めないヤツ」として相手にされない。あるいは知らぬ顔をして、意見だけを採用する。ビジネスの世界ではよくある話です。

部下は、これくらいのことは心得なければいけない。リーダーが何を欲しているかを察知し、それに合う自分の考えを進言しなければ、効果はない。わかりやすく言うと、リーダーを信じてはならない。その上で対処していけ、というのが韓非子の考え方。リーダーを説得するには、「リーダーが誇りに思っていることを褒め称え、恥としていることを忘れさせる」ことが肝要です。

上司(リーダー)の立場

自分の考えだけで采配を振る、才能豊かなリーダーはいますが、個人の限界があり独りよがりとなって、失敗するケースが多い。よって、進言を受けて他人の視点を加え、少しでもベターな政策を執ります。ところが、多くのリーダーは、その策が適切であったかどうか検証せず、成功しないうちに進言者に褒美を与え、失敗しても罰を与えない。

部下が「これだけのことをする」と申告すると、リーダーはそれに基づき任務を与え、その任務の成果を求めます。成果をあげ、それが当初言った通りなら、賞を与える。反対に成果があがらず、当初の言ったことと一致しなければ、罰を与える。わかりやすく言うと、これが韓非子の思想。

ビジネスで大きな成果を挙げると申告し、成果が小さかった場合は、部下を罰する。成果が小さかったからではなく、申告と一致しなかったからです。小さな成果しかあがらないと申告し、成果が大きかった場合も、部下を罰する。大きな成果を喜ばないわけではなく、申告通りでなかったことは弊害であり、大きな成果をあげるよりもその弊害は大きい。それ故、罰する。これが、韓非子の考え方。

リーダーにとって、部下が自分の役割をしっかり守り、それ以上でもなく、それ以下でもなく、仕事をこなすこと。それが監督者の責務。抑揚がない、波風を立てない、つまらない連中と思っている部下。それをコントロールするのがいかに難しいか、リーダーの立場になれば、思い知る日が来る。信賞必罰は、韓非子の思想を反映するものなのです。

まとめ

  • 韓非子の思想をわかりやすくいうと、性悪説をベースにした、ルールで人を統治する考え方。
  • 韓非子の考え方は、ビジネスリーダーの心得に影響を与える。部下はその考え方を考慮して行動する必要あり。

中国には、孔子・老子・孟子・荀子・莊子・韓非子など、様々な思想家がいました。孫氏の兵法を含め、2000年経った現在も、ビジネスリーダーを始め多くの人々の学びの書となっています。性悪説を元にした韓非の思想は、師匠である荀子の影響を受けています。今回は、韓非子の思想をわかりやすく見ていきましたが、これは一部のみ。また、韓非の考え方が正しいというものでもありません。私達の悩みや置かれている状況は、2000年前の人々も持っていて、どうやって困難を乗り越えるべきなのか、考えたということです。先人からの知恵、どのように取り入れていくかは、貴方次第。

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