毎年11月下旬から12月になると、あちこちでクリスマスツリーが飾られ、イルミネーションが街の雰囲気を賑わせてくれますね。ところでクリスマスツリーやクリスマスリースとはいったい何の為に飾らせるのか、ご存知ですか?今回はクリスマスの由来、クリスマスツリーの飾り(オーナメント)やリースを飾る理由についてご紹介致します。
クリスマスの由来
クリスマス自体の由来というのは、キリストの誕生日ではなく、ヨーロッパにもともとあった冬至のお祭りを後付けで「キリストの誕生日」という風に意味づけたものです。そして、ツリーを飾るという風習自体も、クリスマスが生まれる前から存在していました。元々は、古代ヨーロッパのゲルマン民族が行っていた「ユール」という冬至に行われるお祭りです。
クリスマスツリーに使われる木はモミの木。冬でも葉を落とさない常緑樹であること、中世のドイツではモミの木には小人が住んでいて幸せを運んできてくれると信じられておりました。その小人たちが出ていかないように、モミの木に花や食べ物を飾ってお祝いしていたという理由もあるようです。
また聖書ある、知恵の木であるリンゴが本来使われるべきであるが、リンゴはクリスマス前に実と葉を落としてしまうことから、冬でも葉を落とさないモミの木になった。
クリスマスツリーのオーナメントとは何か
オーナメント(Ornament)とは装飾を意味する英語です。クリスマスツリーに飾られる赤や金色の丸い球体、てっぺんに飾られる星、杖の形をしたキャンディー、ベル、柊(ひいらぎ)などがこれに当たります。
クーゲル(玉)
カラフルなボールがいくつも飾られているのがクーゲルです。これはドイツ語で「玉」を意味するものです。リンゴの代用として使われているものなのです。アダムとイブの話では禁断の果実であるリンゴを食べ、知恵をつける代わりに楽園を追放されました。そういった愚かな行為をしたことへの戒めです。様々な色のクーゲルがあり、それぞれに意味があります。
- 赤・・・イエス・キリストが私達を救うために十字架上で流した血を表しています。また、神の愛の象徴でもあります。
- 白・・・雪を象徴。純潔
- 緑・・・常緑樹が常に緑を絶やさないことから、永遠の命を表しています。
- 金・銀・・・(キリストの)気高さ、高貴さ、また金は賢者が観た星もさしています。
トップスター(星)
クリスマスツリーのてっぺんにあるトップスター。聖書では、鮮やかに輝く星が東方の三賢者たちをキリストが生まれたベツヘレムへと導いたという話があり、トップスターはその象徴と言われています。
キャンディ・ケーン(Candy Canes)
杖の形をしたキャンディーは、羊飼いが使う杖を表しており、迷った羊を杖の曲がったところで引っ掛けて群れに戻してやるために導くものです。このことから、迷っている人がいたら手を差し伸べる、という助け合いの心を象徴する飾りになっています。
ベル
これはキリストの誕生を知らせるものです。また、魔物を寄せ付けない魔よけの聖なるベルという意味も持っています。さらには、羊が迷子にならないようにつけていたともいわれています。
柊(ひいらぎ)
キリストが十字架に磔にされる際にかぶせられたいばらの冠を表しています。また、柊は先がとがっていることから、魔よけの意味もあります。
クリスマスリースを飾る理由と期間は?
リース(wreath)は輪を意味し、はじめも終わりもなく、永遠に続く神の愛を表しています。クリスマスツリー同様、クリスマスリースが緑色なのは常緑樹を使うことで永遠を意味し、松ぼっくりや姫リンゴなど「収穫」「神への捧げもの」の象徴とされています。クリスマスのある日曜日から4回前の日曜日(つまり11月最後の日曜日あたり)から飾られるのが一般的です。
まとめ
- クリスマスいうのは、キリストの誕生日に由来するのではなく、ヨーロッパにもともとあった冬至のお祭りを後付けで「キリストの誕生日」という風に意味づけたもの
- オーナメント(Ornament)とは装飾を意味し、クリスマスツリーに飾られるもの、色にはそれぞれ永遠、愛、純潔、高貴、などがある。
- クリスマスリースは永遠に続く神の愛を表し、11月最後の日曜日付近から飾るのが一般的である
日本のクリスチャンの割合は他国に比べて低いですが、由来や理由のある神聖なイベントです。こういった背景を知った上で、家族や仲間とクリスマスの準備を是非楽しんでくださいね。
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