女性ホルモンが少ないことが原因で引き起こされる症状には、様々なものがありますが、そのうちの一つに関節痛があります。関節痛はある程度の年代になると、男女問わず悩みの原因となる症状ですが、なぜ女性ホルモンが少ないことが、関節痛の原因となるのでしょうか?また、対応策としてホルモン補充やサプリメントの摂取があげられますが、具体的にはどういったものを取り入れればよいのでしょうか?今回は、女性ホルモンと関節について、みていきたいと思います。
女性ホルモンと関節痛の関係 ―ホルモンが少ないことで引き起こされる痛み―
閉経に近づくと、生理周期が乱れ、数ヶ月おきになったりしてきます。この時期あたりから、両手が朝こわばることを自覚する方がいます。関節リウマチを心配して、整形外科を受診してみたものの、検査して特に異常がみられない場合、女性ホルモンが少ないことによる関節痛である可能性があります。
女性ホルモンには関節の炎症を抑え、痛みを感じにくくする作用があり、女性ホルモンの低下によりこの作用が失われることで、更年期の関節痛が起こるのではないかと考えられています。また、女性ホルモンと言われるエストロゲンの受容体は、筋肉や腱などの関節支持組織にも分布しており、それらの柔軟性を維持する働きをしています。
更年期にエストロゲンの分泌が不安定になると、それらの柔軟性が徐々に失われ、手足のこわばりや関節痛として症状が現れます。この症状は、閉経前が最も強く、閉経後数年で徐々に消えていくのが一般的です。更年期女性の半数が関節痛を自覚する、と言われています。手のこわばりは、グー・パーを繰り返すことで、回復していきます。
関節痛の要因は様々ありますので、気になる方は一度医療機関への受診をおすすめ致します。
女性ホルモンを補充する方法
サプリメントと女性ホルモン補充療法があります。
女性ホルモンと似た働きが期待されるサプリメント。選ぶ基準は?
エクオールとは?
大豆イソフラボンの中にはダイゼインという成分が含まれ、エクオール産生菌(腸内細菌)により腸内で「エクオール」という物質が作られます。このエクオールがエストロゲン(女性ホルモン)と似た働きをします。体内でエクオールを作ることができる人の割合は、大豆食品を食べる頻度によって差があることが、大学の研究チームにより解明されてきています。(参考:名古屋大学発ベンチャー:Healthcare Systems、出典:森永製菓)
出典:森永製菓ホームページ 女性が輝く元気ホルモン「エストロゲン」
グリコシド型とアグリコン型
イソフラボンには、「グリコシド型」と「アグリコン型」の2種類あります。お勧めしたいのは「アグリコン型イソフラボン」の方。「グリコシド型」と比べると吸収率が高い為です。
納豆や豆腐、豆乳などの大豆食品のほとんどに含まれるグリコシド型イソフラボンは、構造上、周りに糖がついていて分子量が大きく、腸内細菌の酵素の力で糖が分解しなければ体内に吸収されません。腸内細菌の働きには個人差があるため、イソフラボンを吸収しやすい人と吸収しにくい人の差があります。一般的に、グリコシド型イソフラボンの吸収率は摂取量の2割程度、吸収までにかかる時間は6~8時間と言われています。
一方、味噌や醤油などに含まれている、アグリコン型イソフラボンは、麹菌の酵素によりあらかじめ糖がはずれているため、腸内細菌の働きに関係なく、胃または空腸(小腸の入口付近)から効率良く吸収することができ、吸収率も「グリコシド型」の3倍以上、2時間ほどで吸収されると言われています。ただし、味噌や醤油は塩分もある為、サプリメントをうまく活用するのが効果的です。
よって、イソフラボンを効果的に摂取するには、吸収率の良い「アグリコン型」のイソフラボン、特に「麹菌発酵大豆イソフラボン」や「乳酸菌発酵大豆イソフラボン」など、発酵され酵素により糖が外れたアグリコン型のイソフラボンサプリメントがお勧め、ということになります。下記、出典です。
出典:PURA VIDAイソフラボンサプリはアグリコン型を選ぶべき。その理由を解説
おすすめのサプリメント
これまでの情報を元に、「アグリコン型」のイソフラボン、特に「麹菌発酵大豆イソフラボン」や「乳酸菌発酵大豆イソフラボン」を取り扱ったサプリは、小林製薬の「エクオール」、大塚製薬の「エクエル」、アサヒグループ食品の「らくね」、です。商品詳細は、各社ホームページよりご覧下さい。
小林製薬ホームページ_発酵大豆イソフラボン エクオール
大塚製薬ホームページ_EQUELLE(エクエル)
アサヒグループ食品ホームページ_Rakune(らくね)
女性ホルモン補充療法
女性ホルモン補充療法は医師の診断のもと、治療する方法です。詳細は、お近くの産科・婦人科にお問い合わせ下さい。
まとめ
- 女性ホルモンが少ないが原因で、引き起こされる関節痛がある。
- 女性ホルモンを補充する方法には、サプリメントと女性ホルモン補充療法があり。
- サプリメントの場合、「アグリコン型」の「麹菌発酵大豆イソフラボン」や「乳酸菌発酵大豆イソフラボン」がおすすめ。
関節痛に限らず、女性ホルモンが少ないことが原因で引き起こされる症状は様々です。気になる方は、一人で悩まず、医療機関での診察を受け、専門医の方にご相談下さい。サプリメントは表示された摂取目安に従い、補助的にカラダに補充を。基本は栄養バランスの取れた食生活、十分な睡眠、適度な運動です。女性ホルモンと関節との関わりについて正しく理解し、健やかな日常をお過ごし下さい。
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