ヨーロッパはアジアと同じく、長い人類の歴史をもちながらも近代国家としての地位を確立し、技術先進国として世界をリードしているエリアです。そんな彼らは古いもの、歴史があるものをこよなく愛しています。歴史的な趣のある街、教会、図書館、住居に至るまで、新しいものよりも古い歴史を重ねたものの方が価値があるのです。
私はこれまでの海外生活や滞在を通し、様々な歴史的建造物を見てきました。モン・サン・ミシェル、アンコールワット、万里の長城、アマルフィ海岸など。時代が変わり、新しい建物へ切り替えた方が、予算や安全面から勘案するとよいのでは?と考えているあなた、世界遺産に認定されるように、私たち人間は、なぜ古いものを守り、残そうとするのでしょうか?今日はその背景についてご紹介してきます。
なぜ歴史ある建物を大切にするのか
歴史の深い街や建物は、時に世界遺産に認定されます。私人類が培った時間と思いと歴史が詰まっています。そういった古い建物や街には、長い時間培われてきた雰囲気、その土地の文化や精神が反映されています。それを後の世代に語り継いでもらい、視覚的に残す為、世界遺産があるのです。それは建物の大小に関わらず、景色や人が住み続けた小さな家でさえも相当します。
文書にして残すということもありますが、雰囲気や精神は特に人が心で直接見て、聞いて、触って感じるものですよね?そのためには、どうしても現物を残しておく必要があります。現在の技術ですと、確かに新しい、似たようなものを作ることは可能かもしれません。しかし、それはもはや以前のものとは違います。全く同じものを作ることができない歴史的な建物が、この世界にはたくさんあります。
中には、どういう技術を使って作ったのか、未だに不明なものもあります。例えば、エジプトのピラミッド、ナスカの地上絵、イースター島のモアイなど、誰がどうやってどんな目的で作り上げたのか、未だに定かではありません。不思議ですよね。こういった謎が残るものは、後世の人間が解明してくれるかもしれません。よって、世界共通の財産(世界遺産)として無条件に守る必要があるのです。
歴史が浅い国、例えばアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった国々には歴史が長くても200年ですから、古いものに対する執着や愛情がさほど深くはありません。しかしながら、アジアやヨーロッパは一部の近代都市を除き、歴史を重んじ、またそれを誇りにしています。十分が理由がなく、勝手に新しいものに変えることは、その土地の人間の誇りを奪うことにもなる為、安易に変えてはいけないのです。
まとめ
歴史的建物は、長い時間培われてきた雰囲気、その土地の文化や精神が反映されている為、それを後の世代に語り継いでもらい、視覚的に残す為、大切に残す必要がある。
世界遺産などの歴史的な建物は、その土地の人々の誇りも宿っている為、新しく作る際には、十分な理由が必要である。
世界遺産は大切にしなければいけない、と子供のころから教わってきたかと思います。今まで、なぜそうする必要があるのかについて、考えてみたことがなかったあなた、この記事をきっかけに考えてみてください。そして世界中の歴史ある建物を是非訪れてみてください。本物でなければ感じることのできない、歴史が刻んだ思いをきっと感じることができるかと思います。
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